クレジットカード保険
海外旅行保険の補償はいくら必要?旅行先の国別目安を徹底検証

海外旅行には保険加入が欠かせないというのが常識ですよね。しかし中には旅行保険など不要だという意見もありますし、クレジットカードについている保険で事足りるという人もいます。

しかし医療事情は国によってそれぞれ。旅行保険の必要性を一口にこうだと言い切れるものではありません。

そこで旅行先の国によってどのくらいの補償額が適当なのか、徹底的に調べてみました。次回あなたが海外へ行く時のお役に立てれば幸いです。

海外旅行保険の補償額はいくら必要?必要性とコストのバランスを解説

旅行中に起こる様々なトラブルを補償してくれる海外旅行保険は、旅行者にとって大変ありがたい存在です。でも使わずに済むことが殆どですから、海外旅行傷害保険について調べたことがある人は少数派ではないでしょうか?

そこで最初に、一般的な海外旅行傷害保険の必要性とコストのバランスについて簡単にご説明したいと思います。

充実した補償にはそれなりのコストが必要

単純に考えれば保険金の額は高ければ高いほどよく、補償内容も充実しているに越したことはありません。しかしそれにはそれ相応のコストがかかります。

海外旅行傷害保険は大きく分けて以下2種類ですが、この通りどちらにも補償額に応じた費用が必要です。

保険の種類 必要な費用 金額の目安
任意加入保険 保険料 1,000円~
クレジットカード付帯保険 カード年会費 0円から~

年会費無料カードにも海外旅行保険が付く

任意加入の海外旅行保険の場合、例えばアジア・3日分なら千円程度から様々なプランがあり、保険料が高いほど補償項目や補償額がアップします。

クレジットカードの付帯保険についても同様で、カード年会費が高いものほど補償内容は充実する傾向があります。

ただし年会費無料のカードにも海外旅行傷害保険はついていますから、上手に使えばコストをかけずに十分な補償を確保することが可能です。

その具体的な方法についてはおいおいご説明していきますね。

補償額をオーバーすると自費で支払う必要がある

いずれにしても起こるかどうか分からないトラブルのために、高い保険料やカード年会費を支払うべきかどうかは判断の難しいところです。

かといって低コストを追求すれば、リスクが高くなることは避けられません。例えば年会費無料のクレジットカード付帯保険は補償額が低いので、そのままでは多額の費用が発生した場合、その殆どを自費で支払うはめになるでしょう。

海外旅行保険は十分な補償が必要

一例として「傷害治療費用」の最高補償額が50万円の保険に入っているケースを考えてみましょう。

この人が海外で治療を受けて25,000円の治療費がかかった場合と、510,000円の治療費がかかった場合、それぞれに支払われる保険金は以下のようになります。

かかった医療費 支払われる保険金 差し引き
25,000円 25,000円 0円 → 出費なし
510,000円 500,000円 10,000円 → この分が自費

上記の場合は1万円の出費で済みますが、医療費がもっと高ければ、自費負担金はさらに増えることに。万が一のことを考えると、やはり補償額が低いのは考えものです。

年会費無料のクレジットカードでも旅行保険が付帯するカードがあるのね!?でも海外で治療を受けると、実際どのくらいの医療費がかかるのかしら?
国によって医療費は大きく異なるよ。次章で国別の医療費について解説していくから確認してみてね。

海外旅行保険の補償はいくら必要?各国の医療事情をチェック

海外旅行保険はトラブルに遭った時にしか役に立ちません。なので旅行中何も起こらないと思えば、そもそも保険など必要ないということになります。

でも海外の医療事情を知れば、その考えが楽観的すぎることが分かるでしょう。

海外は保険が効かず医療費が高い

日本は国民皆保険制度ですから、実際の医療費がどれだけかかっているのか、普段余り意識することがありません。

日本では病院の窓口で支払う医療費は実際にかかった費用の3割で済むのに対して、海外ではこれが10割負担となります。しかも多くの場合、医療費自体が日本よりずっと高額です。

欧米の医療費は日本10割負担の5倍

以下は各国の医療事情から「救急車費用」の有無と「虫垂炎手術費用」の総額を表にまとめたものです。

救急車費用 虫垂炎治療費用
日本 無料 60万円
中国 有料 8~150万円
韓国 有料 60万円
台湾 無料 40万円
タイ 無料(民営は有料) 50万円
シンガポール 無料 140万円
フィリピン 有料 9~15万円
インドネシア 無料(民営は有料) 70万円
アメリカ 有料 300万円
カナダ 有料 80万円
ハワイ 有料 300万円
イギリス 無料 100万円
フランス 有料 100万円
ニュージーランド 無料(民営は有料) 90万円
オーストラリア 有料 100万円

虫垂炎の治療にかかる費用は一部の国を除いてどの国も日本よりずっと高額ですし、救急車が有料になる国も多いことが分かるでしょう。

ヨーロッパやアメリカ合衆国の医療費は全般に高く、アメリカやハワイで治療を受ければ日本の5倍もの費用がかかります。またフィリピンや中国では病院の種類(公立 / 私立)によって、治療費に大きな差が生じるという特徴もあります。

海外での治療には幾つかの選択肢がある

救急車が必要なケースでは選択の余地はありませんが、症状が軽ければ自力で安い病院を探すことも不可能ではないでしょう。

もしも海外で具合が悪くなったら、旅行者には幾つかの選択肢が考えられます。以下は海外全般の治療法の費用と特徴をまとめたものです。

海外での治療 費用 特徴
私立クリニック 高い 設備○
技術○
言語対応○
待ち時間○
公立病院 普通~安い 設備○~△
技術○~△
言語対応×
待ち時間×
開業医など 安い 設備△
技術△
言語対応×
待ち時間△
漢方医(中医) 安い 設備-(漢方)
技術-(漢方)
言語対応△
待ち時間△
ドラッグストア(売薬) とても安い 設備-
技術-
言語対応△
待ち時間○

それぞれについて以下で詳しくご説明しましょう。

海外の公立病院は待ち時間が長いのが普通

海外では公立病院と私立病院の格差が大きく、全般に私立のクリニックは高額で公立病院はリーズナブルです。

どの国でも公立病院は人気が高く常に混雑しており、中には数ヶ月待ちという例も。これでは救急でもない限り、旅行者が診察を受けるのは不可能でしょう。

かといって現地の怪しげな開業医に飛び込むわけにもいきません。こういった病院は料金体系が不明瞭で、逆にぼったくられる可能性もあります。

結局はいくら医療費が高くても、やはり旅行者には設備の整った私立クリニックが一番だということになるのです。

アジアでは漢方医にかかるという選択肢もある

中国や台湾では漢方医(中医)が数多く開業しており、比較的リーズナブルな費用で診察と漢方薬の処方を受けることが可能です。

【漢方医は旅行者にも便利】

  • 治療費用が比較的安い
  • 保険請求も可能(診断書が必要)

重い症状には向きませんが、ちょっとした体調不良なら地元の漢方医を利用するのもよい方法です。中国語圏は筆談で通じるのも便利ですよね。

また医療サービスが整っていない国では市販の薬で凌ぐ人も多いのですが、海外の薬が日本人の体質に合うとは限らないので積極的にはおすすめできません。

診断書をとっておけば、漢方医で治療を受けた場合も海外旅行傷害保険の請求が可能だよ。だけど慢性病の場合保険対象外だから注意してね。

海外旅行保険の補償はいくら必要?国別に必要額を徹底検証

海外の医療事情を調べると、やはり医療費の高さが最大のネックだということがよくわかりますね。しかし海外旅行保険にさえ入っていれば、この問題は一気に解決します。

たとえ高級なクリニックで治療を受けたとしても、治療費は保険金によってカバーできるからです。では海外旅行傷害保険の補償額は、一体どのくらいあれば足りるのでしょうか?

軽度の治療なら1枚のカード付帯保険でも十分

試しにクレジットカードの海外旅行障害保険の治療費用の補償額を調べてみると、最高50万円、100万円、200万円、300万円とカードによって様々です。

つまり海外旅行保険付きのクレジットカードを持っていれば、殆どの場合は最低でも50万円の医療費が使える訳ですね。

特別な検査や手術の必要がない限り、高級な私立クリニックでも医療費は数万円程度に収まるはずなので、1枚のクレジットカードがあれば十分だということになります。

高度な治療を受けると医療費が一気に高くなる

問題は以下のような処置が必要なケースです。

  • 高度な検査
  • 救急搬送
  • 手術
  • 入院
  • 医療搬送

国によってはレントゲン検査を追加するだけでも費用が跳ね上がったりするので、軽い症状で受診しても、日本では考えられないほど高額な費用を請求される可能性もあります。

さらに高度な治療や医療搬送が必要になると、その費用総額は一気に膨れ上がるでしょう。

300万円以上の保険金が支払われた件数は0.007%

しかし数百万円以上の費用が発生するようなケースは、数多くの保険を取り扱う保険会社でも滅多に起きるものではありません。

ある保険会社のデータによれば、高額な保険金が支払われた件数はこの通りごく僅かなものです。

保険金の支払額 全契約件数に対する割合
300万円以上 0.007%
500万円以上 0.004%
1000万円以上 0.002%

しかし確率が低いとはいえ、旅行先で自分が絶対こうならないとは言い切れないのが難しいところですよね。

万が一の際に保険の補償額が不十分だったとしたら、その不足分は自費で支払わねばなりません。

特に高齢者の方には十分な補償額が必要

海外で病気やケガをしただけでも不運なのに、その上多額の支払いが待っているなんて正に踏んだり蹴ったりですよね。

そもそも海外旅行傷害保険とは不測の事態に備えるもの。つまり補償額を検討するなら、やはり重篤な事例を想定するべきでしょう。

特に65歳以上のシニアの方は転倒によるケガや脳梗塞などが起きる可能性が高いので、海外旅行保険の補償額を低く見積もるのは危険です。

1億近い保険金が支払われた例も!?

では海外旅行傷害保険では、実際にどのくらいの保険金が支払われているのでしょうか?以下に海外旅行中の病気やケガに対する保険金の支払い例の中から、特に高額なものを選んでご紹介しましょう。

事例 保険金
中国 くも膜下出血
入院・手術
家族が駆けつける
チャーター機で医療搬送
2,000万円
韓国 くも膜下出血
入院・手術
家族が駆けつける
医師・看護師が付き添い医療搬送
1,500万円
台湾 ベランダから落下
骨折、脊髄損傷
入院・手術
看護師が付き添い医療搬送
400万円
タイ 交通事故
入院・手術
家族が駆けつける
医師・看護師が付き添い医療搬送
950万円
シンガポール 転倒による脳挫傷
救急車で搬送
入院・手術
家族が駆けつける
医師と看護師が付き添いチャーター機で医療搬送
2,000万円
フィリピン 全身打撲
脳挫傷
入院
家族が駆けつける
400万円
インドネシア 交通事故
シンガポールに医療搬送
シンガポールで入院
帰国後入院
780万円
アメリカ 呼吸困難
救急車で搬送
肺結核
49日間入院・手術
家族が駆けつける
9,300万円
アメリカ 心不全
救急車で搬送
入院
医師・看護師が付き添い医療搬送
2,300万円
カナダ 脳炎で救急搬送
入院
家族が駆けつける
医師・看護師が付き添いチャーター機で医療搬送
3,900万円
ハワイ 誤嚥
救急車で搬送
敗血症など
入院
家族が駆けつける
医師・看護師が付き添いチャーター機で医療搬送
6,000万円
ハワイ 溺水
救急車で搬送
入院
家族が駆けつける
1,600万円
イギリス 硬膜下血腫
救急車で搬送
入院・手術
家族が駆けつける
医師・看護師が付き添い医療搬送
1,200万円
フランス 転倒して骨折
入院・手術
家族が駆けつける
看護師が付き添い医療搬送
700万円
イタリア 心筋梗塞
入院・手術
家族が駆けつける
医師・看護師が付き添い医療搬送
1,000万円
ニュージーランド 脳内出血
救急車で搬送
入院
家族が駆けつける
医師・看護師が付き添い医療搬送
670万円
オーストラリア 転倒して骨折
ヘリコプターで搬送
入院・手術
家族が駆けつける
看護師が付き添い医療搬送
670万円

アメリカの事例ではなんと1億円近い保険金が支払われています。このケースでこれほどの医療費になったのは入院期間が2ヶ月近くと長かったせいもありますが、全般にアメリカ合衆国は医療費が最も高い国の一つに数えられています。

日本人に身近な観光地ハワイもアメリカの州ですから、海難事故にでも巻き込まれれば多大な費用が発生することは避けられません。

医療搬送などによって費用が跳ね上がる

しかし上表の保険金の中には、実は治療費以外の費用も含まれています。その費用とはチャーター機で医療搬送される際の輸送費や、日本から家族が駆けつける際の旅費で、これらは海外旅行傷害保険「救援者費用」から支払われます。

【救援者費用の補償対象】

  • 医療搬送の費用
  • 付き添う医師や看護師の費用
  • 家族が駆けつける際の旅費と滞在費

治療にかかる費用に加えてこういった費用が上乗せされることによって、支払われる保険金の額が一気に跳ね上がるんですね。

医療搬送の費用は国によっても違う

この医療搬送にかかる費用も、やはり国によって微妙な差が生じます。救急車の走行距離に応じて料金が加算される国も多いですし、島国や広大な国だとヘリコプターの出動が要請されることも多いからです。

島国のインドネシアは医療レベルが低く、大きな治療が必要になるとすぐ隣国のシンガポールに医療搬送されます。

さらに病状次第では、帰国時にチャーター機や医師や看護師の付き添いも必要となるでしょう。これらは全て救援者費用の補償によってカバーされます。

国別に必要な治療費用の目安は最低でも300万円

以上様々な要素を加味して、各国で必要とされる最低補償額の目安を割り出しました。海外旅行中にケガや病気をした時のことを想定して、傷害治療補償・疾病治療費用・救援者費用のそれぞれについてまとめています。

傷害治療補償 疾病治療補償 救援者費用
中国 500万円 500万円 500万円
韓国 500万円 500万円 500万円
台湾 300万円 300万円 500万円
タイ 300万円 300万円 500万円
シンガポール 500万円 500万円 500万円
フィリピン 300万円 300万円 500万円
インドネシア 500万円 500万円 500万円
アメリカ 800万円 800万円 500万円
カナダ 500万円 500万円 500万円
ハワイ 800万円 800万円 800万円
イギリス 500万円 500万円 500万円
フランス 500万円 500万円 500万円
ニュージーランド 500万円 500万円 500万円
オーストラリア 500万円 500万円 500万円

これらは全て重篤なケースを想定したものです。お伝えした通り、軽い治療で済むならどの国でもこれほどの費用は必要ありません。

なおニュージーランドにはACCという補償制度があり、旅行者もケガの治療については原則無料です。しかし海外旅行保険の治療費用は傷害と疾病がセットになっているため、ここでは同額の補償額を記載しました。

海外旅行保険は合算して補償を強化できる

しかしどんなにグレードの高いクレジットカードの海外旅行保険でも、治療費用はせいぜい500万円までしか補償されないのが普通です。

つまり1枚のクレジットカードでは、旅行先によっては十分な補償額を確保できないことになります。そこで必要となってくるのが保険の合算です。

2枚以上のクレジットカードがあれば、死亡後遺障害を除く全ての補償額を合算できるのです。

年会費無料カードでも合算すれば理想の補償額になる

以下にAとB2枚のカードの海外旅行保険の合算例をご紹介しましょう。なお金額は全て最高補償額です。

海外旅行傷害保険 Aカード Bカード A+Bの合算
死亡・後遺障害 2,000万円 3,000万円 3,000万円(高い方)
傷害治療費用 200万円 300万円 500万円
疾病治療費用 200万円 300万円 500万円
賠償責任 1,000万円 2,000万円 3,000万円
携行品損害 50万円 20万円 70万円
救援者費用 200万円 300万円 500万円

この方法で保険を強化すれば、さきほどの表の補償額の目安にも届きますね。たとえ年会費無料のクレジットカードでもこのように枚数を増やせば、どなたもコストをかけることなく充実した補償を受けることができるでしょう。

持物の盗難や破損も海外旅行保険でカバーできる

さてここまではケガや病気の治療についてご説明してきましたが、海外旅行では盗難などの被害を心配する方も多いはず。旅行中は健康も大切ですが、持物の補償も気になりますよね。

特にヨーロッパ旅行においてはスリの被害や、スーツケースが壊れるトラブル(飛行機の乗り継ぎが多いため)も数多く報告されています。

その証拠に海外旅行保険の「携行品損害」は、「治療費」と「救援者費用」に次いで利用される頻度の高い補償となっています。

【携行品損害】

  • バッグ、時計、衣類などの盗難・破損に対する損害を補償
  • 現金やクレジットカードは補償の対象外

治療費用に着目すればその他の補償も充実

でも心配は無用ですよ。治療費用を基本に海外旅行保険を選べば、盗難についても十分な補償を受けることができるでしょう。

大抵のクレジットカードの海外旅行傷害保険は、以下の補償がワンセットになっているからです。

  • 傷害死亡・・・・・ケガによる死亡
  • 後遺障害・・・・・ケガによる後遺障害
  • 傷害治療費用・・・ケガの治療
  • 疾病治療費用・・・病気の治療
  • 賠償責任・・・・・損害賠償責任を負った
  • 携行品損害・・・・持ち物の盗難や破損
  • 救援者費用・・・・医療搬送、家族が駆けつけた

クレジットカードの海外旅行保険を合算して治療費用の補償額を強化すれば、携行品損害や賠償責任などその他の補償も自ずから充実するでしょう。

この方法で、是非あなたもコストをかけず安全な旅を実現してください。

海外の医療費って、とても高額なのね。
クレジットカードの海外旅行保険は複数枚持っていれば合算できるんだよ。1枚だと不安だけど複数枚の補償額を合算すれば補償が充実するから、海外旅行には必ず複数枚のクレジットカードを持っていくようにしてね。

海外旅行保険は治療補償が重要!いくら必要かは国によっても違います

海外旅行保険の補償の必要度は、行き先の国によって異なりますが、どの国でも治療費用は最低でも300万円、救援者費用は500万円はあった方が安心です。

特にアメリカやヨーロッパは医療費が高く、またシニアの方ほどケガや病気の確率が高いので十分な補償額を確保してください。

クレジットカードの海外旅行保険は合算できるので、最低でも2枚以上準備して万が一に備えましょう。

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